AviUtl基本環境構築

導入方法は基本的に配布元のサイトやGitHub、同梱されているreadme、配布動画に記載されているものを読んでください。

AviUtl情報

/AviUtl

後述するプラグイン「patch.aul」制作者が書いているScrapbox。AviUtlに関する情報の宝庫。
参考にした環境構築のための解説ページがあります。

/ePi」「nazosauna AviUtl」もオススメです。

最小環境の作り方

まずAviUtl本体と拡張編集の最小環境を作ります。
この最小環境の作り方によってはあとから不便を感じたり、設定ミスによって動くはずのプラグインも動かずに重くなったりするのでとても重要です。

本体と拡張編集のダウンロード

AviUtlから「aviutl110.zip」、拡張編集Pluginから「exedit92.zip」をダウンロード。

テスト版の「exedit93rc1.zip」は最新版ですが安定版ではなく、不安定でバグの温床なので0.92推奨。

AviUtlのサイトにアクセスできない場合はブラウザが勝手にURLを変えている可能性がありFます。
URLの「https://~~~」の「s」を取って「http://~~~」に変更してください。

間違えて0.93テスト版をダウンロードした場合でもダウングレードできます。

導入

ダウンロードした「aviutl110.zip」を解凍し、中身をすべて移動させます。

下手な場所に置くとWindowsが悪さをして正しく動作しない可能性があります。
推奨はWindowsの管理外であるドライブ直下です。

  • C:\aviutl
  • D:\aviutl
  • C:\free_soft\aviutl

「exedit92.zip」も解凍し、中身のファイルをすべて「aviutl」フォルダに移動させます。

AviUtlの設定

「aviutl.exe」をダブルクリックで起動し、動画を読み込むときの設定をします。
AviUtlのみでは動画の最初と最後をカットするくらいの大雑把な編集しかできません。

メインウィンドウのサイズ固定

このまま画像や動画を取り込んでしまうと、ウィンドウがそのサイズまで拡大されてしまいます。
表示タブ>拡大表示>WindowSize」にすることでウィンドウのサイズが変化しなくなります。

基本設定

サイズ設定がおかしくならないようにする設定です。
デフォルトでこうなっているとは思いますが、違った場合重くなったり画質が悪くなったり縦横比がおかしくなったりするので、念のため。

設定タブサイズの変更なし
設定タブフレームレートの変更なし
フィルタタブすべてのフィルタをOFFにする

使用方法をわかっているなら変更していても良いです。

システム設定

ファイルタブ>環境設定>システムの設定」でシステム設定を開いて設定します。

  • 最大画像サイズ:AviUtlが扱える最大の画像サイズ

使用する画像サイズぴったりにすると「ぼかし」などのエフェクトが効かなくなるので、
取り込む画像サイズ+α」にしておきましょう。

増やすほどメモリ使用量が増え、エラーの原因にもなるため増やし過ぎない方が良いです。

大きくても5000×5000程度にとどめ、大きな画像を扱う場合は後述のカスタムオブジェクトを使用すると良いです

最大画像サイズ – nazosauna AviUtl
  • 最大フレーム数:AviUtlで扱える動画の長さ(フレーム数)
fps長さ必要な最大フレーム数
305分9000
605分18000
301時間108000
601時間216000
304時間432000
604時間864000
6038時間50分8388000
最大フレーム数 – /AviUtl
  • キャッシュサイズ:AviUtlで使えるメモリサイズ

自分が使っているPCのメモリサイズに合わせて設定するのが良いです。:参考サイト
ちなみに4000~8000Mbyteあれば十分らしいです。

  • 再生ウィンドウの動画再生をメインウィンドウに表示する
  • 編集のレジューム機能を有効
  • ファイルのドラッグ & ドロップ時にファイル選択ダイアログを表示する

拡張編集の設定

AviUtlのみではできない動画の途中のカット編集やテキストの挿入など細かな編集を行うための設定です。
AviUtlの編集は基本的にこの拡張編集を使って行うので非常に大事な設定です。

タイムラインの表示

設定タブ>拡張編集の設定」で拡張編集のタイムラインを表示します。
ここに録画した動画ファイルや音声ファイル、画像などを投げ込むことで細かな編集ができるようになります。

  • 素材をここ以外に投げ込まないでください。
  • メインウィンドウに投げ込むとタイムラインに表示されません。
  • プロジェクトファイル以外はすべてここにD&Dで入れてください。

環境設定

拡張編集のタイムラインウィンドウ上で右クリックし「環境設定」を開いて設定します。

  • レイヤーの幅:タイムラインのレイヤー幅
  • 再生ウィンドウで再生した際にカーソルを連動
  • 中間点追加・分割時に中間の値を反映する
  • 中間点追加・分割を常に現在フレームで行う
  • オブジェクトの端をつまむときに隣接するオブジェクトも選択
  • 自動バックアップ
  • バックアップの間隔:1分
  • バックアップファイルの最大数:100以上
  • 動画ファイルのハンドル数:InputPipePlugin無:8 InputPipePlugin有:20~32
  • 画像データのキャッシュ数:2以上4以下
最大画像サイズ画像データのキャッシュ数
目安13000×30003~5
目安24000×40003~4
目安35000×50002
画像データのキャッシュ数 – nazosauna AviUtl
  • 最大画像サイズ:取り込む画像サイズ+α

設定後は設定を反映するため&次の設定をするためにAviUtlを落としてください。

メモリ使用量改善

2023年8月ごろに見つかった設定です。

AviUtlの設定ファイル「aviutl.ini」ファイルをメモ帳などで開いて[system]を探してください。[system]の下に以下を追記するとメモリ使用量が改善します。

buffer=2

最小環境の完成

これで最小環境の完成です。AviUtlを起動し、設定が反映されているか確認してください。
ですがこのままではできることが少なすぎるため、プラグインを追加します。

プラグイン導入

AviUtlには有志の方が作成・配布してくださっているプラグインが大量にあります。
ありがたく使わせていただきましょう。

ここではAviUtlを扱う上で編集内容を問わず誰もが無条件で入れたほうが良い必須級プラグインを紹介します。

導入前準備

「aviutl」フォルダにプラグインを格納する「plugins」フォルダを作成します。
基本的にこのフォルダに入っていないプラグインは動作しません。
※例外はありますが、その場合は配布サイトに格納場所が記載されています。

(スクリプトを使用する場合は同じように「script」フォルダを作成してください。)

patch.aul

AviUtl・拡張編集プラグインの膨大なバグを直したり、機能を追加したり、軽量化するプラグイン。

バグ修正が主な機能で、そのほかにAviUtlの軽量化・高速化、Redo機能(やり直し)、タイムラインのオブジェクトのカラー変更(テーマ機能)などの機能追加があります。

フォーク版からはオブジェクトがないレイヤー名、グリッド設定も保存できるようになりました。

ダウンロード

本家の開発者が忙しいらしく、ほぼ共同開発していた方がフォーク版として開発を引き継いでいます。

導入

ダウンロードしたファイルに同梱されている「patch.aul.txt」に書かれています。

テーマ機能を使用する場合は、「patch.aul.json 編集」を使用すると良いです。:GitHub

「Patch.aul」の「オブジェクトの色変更」と、「アルティメットプラグイン」の「ExEditTweaker」または「エディットボックス最適化」プラグインの「枠線描画」を両立したい場合、「patch.aul.json」の「”fast.exeditwindow.step”: 0」を「”fast.exeditwindow.step”: -1」に置き換えてください。

Console Windowについて

ウィンドウ右上の×で閉じるとAviUtlごと終了します。
これは、AviUtlがフリーズしてしまっても機能します。

容易にAviUtlを強制終了できる手段を残すために×ボタンでコンソールは消せないようになっています。

注意喚起

L-SMASH Works(Mr-Ojii版)

扱えるデータを増やすためのプラグインです。
AviUtlの最小環境では以下の拡張子しか扱えません。

導入して自分で設定ファイルの記述を増やすことにより、
画像形式のファイルを動画形式のファイルとして読み込むこともできます。(.gifなど)

ダウンロード

上記のURLから最新の日付のをダウンロードしましょう。
※ダウンロードするべきファイルはちょくちょく名前が変わるので、Releaseページのおすすめとして書かれているものをダウンロードしてください。

注意喚起

導入

ダウンロードしたフォルダを解凍し、「lwcolor.auc」「lwdumper.auf」「lwinput.aui」「lwinput64.aui」「lwmuxer.auf」を「plugins」フォルダに移動させます。

InputPipePlugin 2.0に合わせて、64bit版 L-SMASH Worksである「lwinput64.aui」が同梱されるようになりました。
「lwinput64.aui」が存在する場合、「InputPipeMain64.exe」が実行されます。

D&Dで投げ込んだファイル形式の自動判別設定

「aviutl」フォルダにある「exedit.ini」をメモ帳などで開き、編集します。

L-SMASH Worksを導入した時点でどのファイル形式にも対応できるようになっていますが、ここに記述されていないファイル形式は「取り込んだファイル形式をどのオブジェクトとして読み込むのか」が自動で判別されません

ここに記述せずとも手間のかかる方法で読み込ませることは可能です。
ですが今後何回も同じことをするのは時間のムダと言わざるを得ないので素直に記述しましょう。

設定

AviUtlを起動します。

lw〇〇.〇〇 は Windows 上では実行できないか、エラーを含んでいます。

と出てきた場合は、L-SMASH-Worksの解凍に失敗してる可能性があります。
解凍ソフトの問題の可能性もあります。再度解凍するか、解凍ソフトを変えましょう。

ファイルタブ>環境設定>入力プラグインの設定>L-SMASH Works File Readerの設定」を開きます。

  • ▢Libav+L-SMASH
  • ▢VFR->CFR
  • 右側のテキストボックス
  • Create Index file
  • ▢Handle cache

チェック無し推奨。

同一ファイルを開く要求が複数回あった際、ハンドルを使いまわします。 

Mr-Ojii版 L-SMASH Works 同梱 README.ja
  • Use cache dir
  • ▢Libav video index / Libav audio index
  • Preferred decoders

libvpx,libvpx-vp9

また、適切な設定を行うことで、GPUによるデコードを行うことができます。
二つを追記する際は「,」で区切るのを忘れないように。

  • Cache directory path

InputPipePlugin

L-SMASH Worksが使うメモリを別プロセスで実行し、AviUtl本体のメモリ使用量削減の効果を狙う入力プラグインです。
これがないとエンコード中にメモリ不足に陥って強制終了します。

ダウンロード・導入

「InputPipeMain64.exe」もpluginsフォルダに移動してください。

※64bit版 L-SMASH Works「lwinput64.aui」が存在する場合、「InputPipeMain64.exe」が実行します。

「InputPipeMain64.exe」作成時に「lwinput64.aui」が存在しなかった
のちに「lwinput64.aui」が作られた
存在しないのになぜ作ったのかは不明。

設定

AviUtlを起動し「ファイルタブ>環境設定>入力プラグインの設定>InputPipePluginの設定
を開き、以下のように変更します。

  • ハンドルキャッシュを有効
  • プロセス間通信を有効にする
  • ◉共有メモリ

次に「ファイルタブ>環境設定>入力プラグインの優先度の設定」を開き、
以下のように優先度を並び変えます。上に行くほど優先度が高く、上から順に適用されます。

BMP File Reader
JPEG/PNG File Reader
AVI/AVI2 File Reader
Wave File Reader
InputPipePlugin
L-SMASH Works File Reader
拡張編集 File Reader

AVI File Reader ( Video For Windows )ニコニコ動画: AviUtlのバグ修正プラグインを更新しています3【patch.aul】

LuaJIT

AviUtlのスクリプトは「Lua」というプログラムで書かれています。
AviUtlの拡張編集プラグインに同梱されている通常版のLuaを、改良が進んだ高速版のLuaJITに置き換え、処理を高速化させます。

ダウンロード・導入

導入方法はダウンロードしたファイルに同梱されている「README」に書かれています。

トラブル

リンク先に記載されていますが、このLuaJITを導入した環境で93さんが配布されている「DelayMove」というスクリプトを使用するとバグる、というものです。
(書かれている通り93さんのスクリプトの書き方のせい)

メモ帳などで「@DelayMove.anm」を開き、該当の箇所156,158行目のmath.minの最後に「,1」付け足すことで正常に動作するそうです。

▼156~158行目置き換え用

local start=math.min(1,math.max(0,(time/iD)),1)
local ending=(total-time-oD)/oD + 1
ending=math.min(1,math.max(0,ending),1)

かんたんMP4出力

出力プラグイン。エンコーダです。
細かい設定はできませんが簡単にそれなりの画質でmp4出力できます。

これを使うと音声が映像とズレる、空のファイルが作成される、エラーへの対処が難しいなどの問題も最近出てきたので、あくまで仮出力に使うのがいいかも。

ダウンロード・導入

仮修正版で問題ないです。
導入方法は同ページに記載があります。

出力方法

ファイル>プラグイン出力>かんたんMP4出力」を開き、「ビデオ圧縮」をクリックするとかんたんMP4出力の設定画面が出てきます。

両方とも最大値でやってみて思ったより動画容量が大きくなったり、PCスペック的に厳しそうなら下げましょう。
画質は35、音質は実況動画なら96kbpsくらいまでならまあまあ見られると思います。

グラフィックボードが搭載されてるPCでのみ使える設定です。
よくわからなければオンにして、失敗したらオフにしましょう。

設定が終わったら「OK」を押してファイル名を入力したら保存で出力しましょう。

x264GUIEx

出力プラグイン。エンコーダです。
とても細かく設定ができ、動画のサイズを軽くし、画質・音質にこだわることができます。

ダウンロード・導入

導入方法は同ページにリンクがありますので、そちらをご覧ください。

出力方法

ファイル>プラグイン出力>拡張 x264 出力(GUI) Ex」を開き、「ビデオ圧縮」をクリックするとx264guiExの設定画面が出てきます。

簡単なやり方
詳細なやり方
左側「x264」タブ
シングルパス – 品質基準VBR の場合
品質(Quality) (CRF値)
自動マルチパス の場合
目標映像ビットレート
プリセットのロード
色空間
左側「フレーム」タブ / GOP関連設定
右側「音声」タブ

もっと詳しく知りたい方は以下のサイトを見てみてください。

qaacはエラーやトラブル源となるので現在x264guiEx標準では同梱されていません。
代わりにffmpegが同梱されています。

設定が終わったら「x264」タブに戻って「新規保存」でプロファイルを保存し、
右下にある「OK」を押してファイル名を入力したら「保存」で出力しましょう。

AviUtl基本環境完成

これで基本的な編集はできるようになりました。

他にも便利なプラグインはありますし、スクリプトも追加することでいろんなことができるようになります。
他のオススメプラグインは別記事で紹介します。